ジャガーノート

本や音楽の話を書いていこうと思います。

ゼルダの伝説 その1

ゼルダの伝説

マリオシリーズと並ぶ任天堂の看板タイトルであり、世界中にほとんどカルト的と言っていいほどの熱狂的なファンを持つ作品である。作品毎に異なる時代が描かれるだけでなく、キャラクターデザインやゲームシステムも変遷する中で、失われることのない「ゼルダらしさ」とはなにか。その答えを探すべくシリーズ1作目「ゼルダの伝説」に挑んだ。

 

※以下、ゲーム本編のネタバレを含みます。

 

 

 

 

居間のテレビを長々と占拠するわけにもいかないので、DS Liteゲームボーイアドバンス版のカートリッジを挿して遊ぶことにする。

f:id:classic108fuzz:20211112122708j:image

 

 

DS Liteは中古で1000〜2000円程度(2020年現在)、バックライト液晶でGBAのタイトルが遊べるのがうれしい。次世代機のDS iはGBA非対応なので、最後のGBA対応ハードとなる。リサイクルショップでワゴンから掘り出した機体の充電がしっかり残っていたのに驚いた。頼もしい。

 

 

さて、ゲームを起動する。

KILL MODEという物騒な名称のモードが。調べるとなんてことはない、セーブデータの消去のことだ。そんな些細なことさえも、現代のゲームとは少し感覚が異なる。公式サイトからダウンロードした説明書を読みながら、新たにデータを作りゲームスタート。

開始早々まずぶち当たるのは、一体これからどこへ向かうべきかということだ。ゲームの目的はガノンを倒しハイラルを救うこと。だがその道筋が作中ではほとんど示されない。口数の少ない住人達のおぼろでまばらなヒントを頼りに進めていくしかない。スタート地点にある洞窟の老人から剣を受け取ると、あとは迷子同然である。

とりあえず闇雲に歩き回る。墓場のじいさん、口を閉ざしたばあさん、無限ループの迷いの森など、散策するほどに謎が増えていく。そして一向に行くべき先は示されないのだ。

さまよって南へ行くと海岸に出た。ホワイトノイズの潮騒が聴こえる。ここが最南端だ。半魚人ゾーラの放つビームが堪える。こっちのビームはどうやら効いていないらしい。

どこをどう歩いたかよく覚えていないが、橋を渡ったところで唐突に迷宮をみつける。敵を振り切り駆け込むとLEVEL 1の表示が。まぐれか。正しい道のりにようやく足を踏み入れたようだ。

何度かゲームオーバーを繰り返しつつも、迷宮のマップを埋める。ビームがあればたやすい戦いも、ダメージを受けると途端に接近戦を余儀なくされる。ノーダメージ状態の圧倒的なアドバンテージが、かえって戦闘に緊張感をもたらす。ゼリー状のモンスター、ゲルを曲がり角で待ち伏せするような、姑息な戦法を取る始末。

余談だが、ゲルのプルプルと震える動きは「ドルアーガの塔」のスライムそっくりだ。ついでに言えば、リンクが盾を備える右側からの攻撃を防げるのもドルアーガと同じ仕様だ(ドルアーガのギルは右利きなので、盾を持つ左側面からの攻撃を防げる)。ゼルダの伝説ドルアーガからの影響を受けているのだろうか。

ドルアーガといえば「スライム=ザコ敵」の図式を作ったのも、この作品からなのだとか。D&Dでは剣の効かない難敵として描かれたスライムを、のろまな最弱モンスターとして扱ったのはドルアーガの隠れた功罪のひとつだろう。そしてスライムに与えられたその不名誉な印象は、後にドラゴンクエストによって決定的になる。

 

話を戻す。最初の神殿のボス、一角獣アクオメンタス(説明書には「一角獣と呼ばれるドラゴンの一種」という、ややこしい記述が)は距離を取ってビームを撃ち込めば簡単に倒せそうなのだが、敵もビームを撃ってくるわけで。一発でも攻撃を食らったら突撃して逆上気味にガチャ斬り。ギリギリでなんとか斬り伏せる。ようやくトライフォースのかけらを手に入れる。フィールド音楽をアレンジしたファンファーレが迷宮に鳴り響く。

小銭が貯まったのでマジカルシールドを購入。リンクの持つ盾が少し大きくなった。これでゾーラのビームも防げる。

 

ここで不意にセーブデータが消えるトラブルが。マジか。以降、DS本体及びカートリッジの取り扱いにめちゃくちゃ慎重になる。サクサクと戻し作業を行い、冒険を続ける。

 

つづく。