ジャガーノート

本や音楽の話を書いていこうと思います。

ゼルダの伝説 その7

レベル7の迷宮で爆弾を16個持てるようになったので、レベル6の未踏の部屋を目指す。爆弾を気兼ねなく使えるので攻略も速い。意気揚々と新たな部屋を開けると、中には爆弾があった。思わず乾いた笑いが漏れる。爆弾はもう間に合ってるんですよ。ともかくレベル6 は踏破した。

 

レベル7の迷宮は、ブツ…ブツ…と呟くモリブリンに道が塞がれていた。他の部屋をしらみ潰しに探索し、どうやら先へ進める可能性はこの部屋しかない。モリブリンの部屋であらゆる行動を試す。剣、爆弾、ブーメラン、ローソク、弓矢、笛、マジカルロッド。どれも効果がない。アイテム欄を眺める。説明書を読み込み、ひとつだけ試していないアイテムがあるのに気付く。敵のエサ、お肉だ。

南の海岸から砂漠へ抜けるルートでルピーを稼ぎ、お肉を置いている店を探す。確か指輪を売っていた店にあったはず。無事お肉を購入しブツ…ブツ…の所へ。うまくいった、これが正解だ。敵を誘き寄せるだけの使えないお助けアイテムだと思っていたお肉が、まさかこんなところで役立つとは。実に巧妙な仕掛け。この発想は憎い。(お肉だけに)

だが程なくしてその先でまた詰まる。マジか。モリブリン突破の喜びをいきなりくじかれる。まだ何か見逃しているのか。一旦諦めて地上の探索に切り替える。

山の中腹、銅像の下のじいさんから「ユキドマリノキニハヒミツガアル」とのヒントを得る。メモしておこう。墓場のじいさんにもようやく会えた。「ツカイコナセルナラコレヲサズケヨウ」と剣を示されたけど授かれないのだが。なぜ。

実はこの『ゼルダの伝説』における最強の剣はマスターソードではない。マジカルソードである。あまりかっこよさを感じられない名称だが仕方がない。今作ではこの剣のみならず、マジカルシールド、マジカルブーメラン、マジカルキー、マジカルクロック、マジカルロッドなどマジカルなものがたくさんあり、マジカルが意味飽和してくる。ちなみにこの時点で手にしている剣の名はホワイトソード。これも全く強くなさそうだが、初期装備、ソードの2倍の攻撃力を誇る。

マスターソードは今作には存在しない。次作の『リンクの冒険』でもリンクの装備はマジカルソードとマジカルシールドである。マスターソードの登場はシリーズ3作目、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』を待たなければならない。『スーパーマリオメーカー2』では、リンクに変身出来るパワーアップアイテムとしてマスターソードが出てくるが、あれはさりげない歴史改変なのだろうか。

ゼルダシリーズの作品内の歴史に沿って真面目に語るなら、1作目に登場するマジカルソードは間違いなくマスターソードなのだろう。ハイラルにおけるマスターソードを80年代当時の感覚及び宮本茂氏のセンスで日本語に翻訳するとマジカルソード、90年代に入りマジカルはちょっと…という空気と共にマスターソードに訳が変わり、以降それが定訳になったのではないだろうか。

海外版での表記はどうだったのだろうと思い、任天堂の英語版サイトを見てみたら意外な一文に出会う。

Begin your adventure by finding a small wooden sword in a dark cave.

小さな木の剣。あり得ねえ…。木刀で国を救えと?道理でなんか茶色っぽいと思った。まあドラクエ1の初期装備たけざおよりマシではある。そして検索の末、マジカルソードはそのままMagical swordなのだと判明。英語版説明書のリンクを残す。

https://www.nintendo.co.jp/clv/manuals/en/pdf/CLV-P-NAANE.pdf

 

剣を貰えないまま、仕方なく迷宮へ戻る。改めて部屋を探索。ひと部屋ずつ敵を殲滅し、東西南北全てに爆弾を仕掛ける。これでどうやら活路が開けた。未知の部屋へ辿り着き、敵を一掃したのち四方の壁に発破。ブロックを見たら全て押してみる。言うは易しだが、敵の数も多い。何度かお薬を買っては出直しようやくボス、アクオメンタスの元へ。レベル1で遭遇したドラゴンだ。さして手こずることもなくビームで余裕の撃破。

ようやくトライフォースのかけらを手に入れ、残す迷宮はあとひとつ。行き止まりの木とは。

 

続く。