ジャガーノート

本や音楽の話を書いていこうと思います。

ゼルダの伝説 その5

レベル5の迷宮を探してハイラル中を巡る。迷いの森を抜け、ハシゴ、イカダを手にした今、未到達の地点はそう多くない。どうやらここら辺から、しらみ潰しに探していく必要があるらしい。

差し当たり怪しいのは兵士の石像アモスだ。触れると動き出し、その下に階段が隠れていることがある。これを1体ずつ地道に確認していく。

不発も多い中、時折出会うミンナニハナイショダヨに小さな嬉しさを感じる。この「ミンナ」は、当然ガノン一味のことであり、また他のプレイヤーのことでもある。後にまとめて語るが、宮本茂はこのゲームを通してプレイヤー同士が情報交換しながら交流してくれたら、と考えていた。ナイショダヨというのはダチョウ倶楽部の押すなよ同様、正に他のプレイヤーとの情報交換を促しているのだ。

さて、北の山で石像からパワーブレスレットを入手する。これで岩を動かせるようになった。もとい、岩も動かさなければならなくなった。ハイラル中の石像をチェックした後で、今度はハイラル中の岩を押してみる。これでレベル5の迷宮が見つかるはずだと信じて。

全ての岩を押したはずだが、迷宮の入り口は見つからない。ワープゾーンは今必要ないんですよ。。

八方塞がりの最中、山の頂で遂に迷宮を見つけた。てっきりここがデスマウンテンなのだと思い込んでいた。必要なアイテムを揃えるまで近寄れないのだと。後でどこかにヒントがあったらしいことを知るが、完全に見落としていた。

ようやく辿り着いたレベル5は、その内部もなかなかに手強い。ウサギみたいなかわいい敵に苦戦する。数が多過ぎる。ビームがあればなんてことはないのだが、取り囲まれるとあっという間にボコボコにされる。

3体のドドンゴを爆弾で蹴散らし、探索を進めると南西の部屋で閉じ込められてしまった。敵を全て倒しても扉が開かない。マジカルクロックを取ったのがよくなかったのだろうか。扉に爆弾を仕掛けるがびくともしない。バグかと思いリセットした瞬間、壁に爆弾を試していないことに気付く。出直しだ。

爆弾は8個までしか持てない。3体のドドンゴを倒すには爆弾が6個必要だ。その先の密室で爆弾を試すためには、ドドンゴ戦で許されるミスは一度だけ。確実に爆弾を喰らわさなければならない。失敗しては何度もやり直す。ドドンゴが壁際を歩いているときは多少狙いやすい。何とかドドンゴをノーミスで退け、次はタートナックの大群と戦う。ここで爆弾は使えないので、剣での勝負になる。上方向に攻撃するときだけ、ブロック越しでもこちらの剣が届くことに気付く。姑息でも構わない。リンクが生きてさえいればそれでいい。

無事に密室まで爆弾を持ち込むのにかなりの時間を要した。ヤリナオスを選べばよかったのだが、律儀に出直していたので、爆弾が無くなれば山の商人から買い、おくすりを切らせば川のばあさんから買った。金が尽きたら海岸や砂漠の敵から巻き上げる。一人孤独に戦い、金策に明け暮れ、誰から感謝されることもない。正直、これは相当に居心地がいい。ドラクエやFFでは味わえない完全に自由な感覚だ。

やっと密室を攻略し、笛を手に入れる。これで音に弱いウサギを撃退出来るかと思いきや、そうでもない。これだ。何度か味わう、このミスリードされてる感じ。デスマウンテンは山のてっぺんじゃないし、ウサギの弱点は笛じゃない。ディスクシステム版ではIIコンのマイク(DSでは代わりにセレクトボタン)を使う。そして説明書に「衝撃波に弱い」と記載されているこの迷宮のボスはと言えば、マイク入力ではなく笛が弱点なのだ。ボスの部屋でIIコンに向かって叫んだかつての少年達に思いを馳せずにはいられない。

間違いない。今作のミスリードは確信犯だ。あえて間違えるようなネタをぶら下げて、プレイヤーを撹乱しているのだ。

ボスを撃破した後で迷宮を探索していると、100ルピーと引き換えに爆弾を4つ多く持てるようになった。爆弾の節約に苦労したあとでしれっとこんなのが登場するのも、実にこのゲームらしい。

続く。