ジャガーノート

本や音楽の話を書いていこうと思います。

小樽市総合博物館 運河館 (夢の里オタモイ編)

小樽市総合博物館運河館。

手宮の本館から徒歩20分ぐらいの距離にある。石造りの倉庫をそのまま利用しており、周囲に馴染み過ぎて一見すると博物館に見えない。駐車場左手最寄りの石造りは博物館ではなかったのだ。迷った。駐車場を出て右手方向、鯱鉾の看板が目印。

 

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館内は2つに分かれており、第1展示室では主に小樽の歴史が紹介されている。海運で栄えた街に相応しく、1/20スケールの大きな北前船の模型が。細かく作り込まれていて見応えがある。当時の写真や帆の一部の実物も展示されており、まあとにかくでかい船であったのだなと。

 

引札と呼ばれる当時のチラシなんかも。 

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ニシンコーナー。壁面に網をあしらうのはとても素敵だと思いました。

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ニシンはおいしい。余市でニシンのピザを出すお店が何軒かあって、どれもうまい。アンチョビに似てるんだけど、より塩気が少ない分、ニシンの身の旨さが味わえる。

 

余談ですがニシンの燻製とウイスキーの相性も最高だった。煙の酒には煙の肴がよく合う。魚が苦手な人には豆腐の燻製、燻し奴をおすすめしたい。

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上の南保留太郎商店は余市のお店だが、ここの燻製は小樽出抜小路のニッカバーでも味わえる。ニッカバーにはコーヒーやノンアルコールカクテルもあるので、車でも気軽に立ち寄れるのがありがたい。

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 だが正直ウイスキーを飲みたい。

 

 

さて、話を博物館に戻す。

 

運河館を訪れた目的はこのオタモイ遊園地。

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2006年、オタモイ遊歩道が崖崩れの影響で閉鎖された。オタモイ遊園地のことはそれまで知らなかった。夕方のローカルニュースで流れた映像を見て、なんだかとんでもなく魅力的なところだと思った。崖に楼閣がそびえているなんておとぎ話の世界みたいだ。

行ってみたいけど行けない。実は行けないことはないらしいが、件の龍宮閣は基礎しか残っていない。グーグルマップでも見れるが、まあそっけないものだ。

ただ、遊歩道を囲う朱色の柵はいい。いつか歩いてみたい。

 

 

運河館の展示はこんな様子。

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在りし日の写真にパンフレットや絵葉書、龍宮閣で使われた半纏や皿など。などっていうかそれが全てだ。やはり残された資料は少ない。けど実物の半纏はとてもかっこいい。

 

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新選組の羽織みたいにお土産にしたらきっと一部客層に爆売れするよ。Tシャツでもいいと思います。

 

パンフも。

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これのレプリカをお土産に(略)

 

絵葉書。

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小樽市総合博物館の2万点超の収蔵資料をデータ化した、デジタルアーカイブスという尊いサービスによって好きな写真をプリントしてもらえる。ありがとうございます。めっちゃうれしい。

プリントもきれい。パソコンで資料を閲覧してるときはもっと低解像度だったのでびっくり。絵葉書らしくビシッと決まった構図もいいが、人が賑わっている様子の写真がいかにも楽しそうでよかった。

 

絵葉書を受け取りながら、

「オタモイ遊園地を観に来たんです」

「ああ、あそこは昔けっこう流行ったんですけどね」

なんて言葉を交わしていると、ついひと昔ぐらい前の話をしているような気がしてくる。

 

後日しつこくオタモイの資料を探していて、HO2017年10月号小樽・ニセコ・岩内特集にオタモイ遊園地の記事を見つけた。

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バックナンバーのため札幌の書店では見当たらなかったが、小樽の喜久屋書店がビニール掛けて山積みしてあったのはさすがという他ない。

 

記事を読み、博物館で絵葉書をプリントしてくれた方がオタモイ遊園地の研究をしている指導員であることを知る。そして更にオタモイ遊園地に関する論文を小樽市総合博物館紀要第28号に寄稿されていることを今知ったのだが、限定500部だというので辛い気持ちになっているところだ。

2015年3月20日発行、限定500部…。

まだ残っているのか……?

 

(続く)

 

 

宮澤 余市

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