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ジャガーノート

本や音楽の話を書いていこうと思います。

シン・ゴジラ

映画 特撮

シン・ゴジラ』を観ました。ひとりで。

周りで観た人がまだ誰もおらず、語りたい欲が沸騰しそうなので、ここに書いていいですか?

まだ観てないからダメ!っていう人は引き返してください。

 

書くよ。

以下ネタバレ含む。

 

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連休前の最後の仕事を終えて、さっさと映画館に行こうと思ったのに意外と長引いてしまい、結局最終上映に行くことに。

映画館にはわりと早めに着いたので、グッズ売り場をちらりと眺める余裕があった。小柄なニワトリぐらいの大きさのゴジラのフィギュアに目を奪われる。

おお、これがシン・ゴジラか!

(ポスター以外の予備知識ゼロで臨みました)

しっぽ長い!尾の先端が丸っこいのもやや違和感。手が小さめなのは、恐竜を見慣れているとむしろ普通に感じる。

 

そして、そいつの足元に、なんか横長の動物が2匹転がっていました。黄色っぽいやつと黒っぽいやつ。目がまんまるでな、ちょっとかわいい感じなんだよな。で、値札に思いっきり「第2形態」とか書いてあってな、「ああ、なるほど。今度のゴジラは変態するのか」と思いがけずネタバレするハメに。……まあ、そのくらい構わんけどさ。

いや、むしろ今振り返れば、この時点で躊躇せず捕獲しておくべきだった。翌日、買いそびれたパンフを求めて、再び売り場を訪れたときには第2形態、第3形態(だったかな?)ともに売り切れていました。ざんねん。

 

さて、田舎の夜の映画館はとても空いています。J列(前から10列目)のど真ん中を労せずして確保し、ポップコーンとコカ・コーラを携えて席に着く。そこより前には誰もおらず、後ろを振り返っても全部で7人ぐらいだっただろうか。

ガラ空きの映画館って最高だわー。

 

 

あらすじを書くつもりもないので、お気に入りのシーンをつらつらと書き残そうと思います。

 

 

・第2形態上陸

上陸しただけで津波級の大惨事を引き起こす巨体に戦慄。魚類さながらの無表情なまんまる目玉が、かわいいだけに余計に怖い。唐突にエラから吐き出される大量の体液も不気味。

ラブカっぽいと評判の第2形態だが、顔付きはウツボの方が似てるかも。

 

 

・攻撃中止

「射撃の可否を問う」のところ。

総理が「国民に自衛隊の弾は向けられん!」みたいなことを言って攻撃は中止に。ネットでは「保身」「先延ばし」など散々叩かれてる対応だけど、人の生死がかかってるんだぜ?

会見で巨大不明生物の上陸可能性を否定したときも、「はっきり言わんと国民は安心せんだろ!」とか言うし。きっと根が優しい人柄なんだよ。大杉漣さん、ハマり役でしたね。動揺の演技が素晴らしい。

 

 

放射能熱線

米軍の地中貫通爆弾に被弾した直後の、ゴジラの反撃。反撃っていうより、邪神が怒りに任せて引き起こす天災のようです。逆鱗に触れた、というところか。うつむき吐き出される煙は初代ゴジラのオマージュだろうか。やがて黒煙は火焔に変わり、東京の街を覆う。あまりに広範囲にわたる炎にしばし呆然。

そう、第2形態上陸の場面も同様だが、呆然としてしまうのだ。どうすんだよこれ……って考えが停まってしまうほど、取り返しのつかない大惨事。ライムスターの宇多丸さんは、東京が燃えるこの場面で泣いたと言っていた。

光線を吐き出す前の、下顎が左右に開くところは大蛇のようだし、眼を覆う瞬膜は、攻撃の瞬間に白目を剥くホオジロザメを連想させる。怪獣の凶暴性が強調される斬新な描写。

この場面で流れる曲もいいです。サントラ買わなきゃ……!

 

 

・ラスト

しっぽの先。たまんねえな。このカット。

 

 

 

 

シン・ゴジラ』、ゴジラはもちろん、登場人物や彼らの振る舞いも、大きな魅力となっている。

個人としては権力も武力も持たない人々が、それぞれの職務を全うすることで巨大なゴジラに立ち向かう、という部分が一番アツい。アポロ13号の危機に挑むNASAみたいな印象です。

まあ、我々は日々仕事をして暮らしているわけで。どうせやるなら、きっちり仕事した方がいいだろうと思っているので、この映画の登場人物の見事な仕事っぷりには感動しました。巨災対にはボンクラとか自己中な感じの人がいないんだよね。単純に憧れちゃう。勉強しようっていう気になる。

例えるなら『ベストキッド』観たあとに空手やりたくなる気持ちと同じ。

 矢口蘭堂とか尾頭ヒロミとか赤坂秀樹とかさー。かっこよすぎじゃないですか!

カヨコは。。ちょっと雲の上過ぎて目指せない。短期間であんな早口の英語の台詞仕込むとかムリだろ。いや、それはカヨコじゃないのか。石原さとみさんなのか。ともかくマジで尊敬した。

 

あと、はたらく自動車が活躍するのも見逃せないポイント。

無人在来線爆弾が炸裂するところ、めちゃくちゃグッと来る。なんだろう、物言わぬヒーローが無私の心で活躍するこの場面に既視感が……。と、感情の端っこをたぐってみたら、スズメバチを蒸し殺すミツバチと繋がっていた。この感じだったか。

 

 

最後に、この映画で無視できないのは、放射能核兵器原発に関するメッセージです。総監督の庵野秀明さんは、それらのモチーフを様々な形で作中に散りばめている。明確な答えは出していないように思う。ゴジラの凍結も、過程に過ぎない気もする。

 

啓蒙や教育も、映画の持つ機能のひとつであるかも知れない。でも学研マンガみたいな映画を作っても、誰も好んで観ないだろう。

 

圧倒的な存在感のゴジラとすてきな登場人物を描いたこの映画に、我々が忘れてはいけないことが綿密に織り込まれている。あとは、映画を観た人にそれぞれ考えて欲しいということなんだろう。

傑作だと思います。

 

 

こういう話を、映画観たあとに深夜のファミレスとかで、パンフ広げてコソコソ話すの超楽しいよな。