ダチョウの卵と好奇心の部屋
ダチョウの卵を手に入れました。
母が「孫のために」と買いに行ったのですが、下の子も欲しがると思うから、ということで2個届いた。。
ダチョウの卵1個で鶏卵20個分の量があると言われています。つまりダチョウの卵2個で、鶏卵40個分の量があるわけです。てことはこの写真1枚に鶏卵41個分の量があるんですよすごくないですか。
重さは1個1.5kgぐらい。この量はヤバい。
有精卵だから日持ちするよ、とダチョウ牧場のおじさんが言ってたけど、ナマモノなのでなる早で食い切りたいところです。週末に意を決して割りました。
めずらしいことなので、ちょっとその割り方などを記録に残そうと思います。
まずは流水で卵の表面を洗います。雑菌とかこわいので、仕上げに水の劇落ちくんで除菌する。
余談ですが、我が家は田舎ぐらしなので、水道が引かれていません。なので、水は地下水を使用しています。地下水生活が長いと、水道の塩素のにおいにとても敏感になります。洗濯物なんかも、水道水で洗ったものは洗剤の香りの奥に塩素のにおいを感じる。消毒されてるなーという涼やかな清潔感があって、好きなにおいです。ないものねだりなんだろうけど、蛇口をひねるだけで塩素入りの水が出てくるのはかなり便利だと思います。
加湿機も、地下水だと雑菌がわくので使えません。地下水にわざわざ塩素を足して使っているんだよ。。めんどくさいよ。
ついでに書くと、塩素のない地下水生活で肌や髪が健康になった!みたいなことはまったくありませんでした。もともと家族全員、肌が弱いのですが、ことさら改善もせず悪化もせず。塩素除去機能のついたシャワーヘッドとかもあるけど、うちは引っ越しても使わないかなー。水道水の残留塩素程度だったら肌には全然影響ない、というのが実感です。
さて、話を戻して。
まず、穴を開ける位置を決めます。スマホのLEDライトを卵に直付けすると、気室が透けて見えます。気室を上にして、卵を小さいボウルに固定します。
各種得物を取り揃えまして、どうやって穴を開けようか検討。
1.千枚通しを金槌で叩いて、卵に小さなキズを付ける。
2.ドリル。
の手順が楽かなー。
活躍したのは愛用のBosch IXO。以下の記事で紹介しています。
Bosch IXO バッテリードライバー - ジャガーノート
6mmのドリルを使いました。貫通するのにけっこう時間がかかります。
さて、穴が開いたらもう写真を撮っている余裕はありませんでした。以下、文字のみです。
中身を取り出すために大きめのボウルを用意します。大は小を兼ねます。家中でいちばんでかいボウルを使いましょう。脅すわけではありませんが、どんぶり程度の大きさだとあふれるかも。
卵の穴を下に向けて、曲がるストローを差し込み、息を思いっきり吹き込みます。空気が入っていく感じはありませんが、卵内部の気圧は高まっているはずです。そして圧を保ったままストローを素早く抜くと、穴から卵白がどろどろーっと流れ出てきます。ストローを抜く前に息を吹き込むのを止めてしまうと、生卵が勢いよくストローを逆流することになりますので、お気をつけください。
卵白が流れ出る様子をそばでみていた子供が「なんか鼻水みたいだねー」と言うので、食欲が失せるからやめろと伝えました。しばらくすると、またなにか思いついたらしく、「あ。そうだ。よだれみたいって言うのはどう?」って言い出した。どう?じゃねえよ。
大まかには卵白→卵黄の順に出てきます。なのでうまく取り分ければ、メレンゲとかも作れるんじゃないかな。
中身をきれいに取り出せたら、穴をもう少し拡張して内部を水洗いします。水を切って乾かしたら、卵の標本の完成!やったねー。
できたよーって子供に見せたら、卵に絵を描くんだと言っていました。
そうか。絵を描くのか。。もっと博物趣味のあるやつだと思っていたけど。ダチョウの絵を描くんだってさ。まあ子供らしくてかわいいね。
パリにあるデロールというお店を紹介した本。デロールには博物館と見間違えるほどの、剥製や標本が大量に陳列、販売されています。地元の子供達が剥製をなでている写真が載っていて、動物園や博物館とは違う、こんなふうな動物との親しみ方もあるんだなーと感じました。店の雰囲気もとてもすてきです。
なぜ唐突にデロールの話を持ち出したかというと、この本、ノンブルのデザインがダチョウの卵なんです。
「好奇心の部屋」っていいですね。うちにも作ろう。
うみねこ博物堂もいつか行ってみたい。
第2理科室を思い出すな。
貝の館(貝類専門博物館)
蘭越町にある貝類専門博物館『貝の館』に行きました。
北海道蘭越町貝の館 Shellfish Museum of Rankoshi
この博物館は二枚貝をモチーフにしているらしい。まるで『すてきにへんな家』に登場しそうなデザインです。
実在する家も想像上の家もごちゃ混ぜにして、ただただ「へんな家」を紹介する本。
作者のタイガー立石さんはエッシャーに多大な影響を受けており、いたるところにエッシャーが好んだペンローズの三角形を描き込んでいる。
おもしろくて不思議な絵を描く、『たくさんのふしぎ』を代表する作家のひとりでしょう。
いきなりですが、これエッシャーっぽくないですか?
巻貝が圧倒的な数で攻めて来る『貝の模様の多型』。
貝の模様を決定するメカニズムはいまだに解明されていないのだとか。それを示すためにこのありさま。
そういえば、9月に『エッシャーの世界』が芸術の森に来るらしい。もう今から楽しみです。
入り口で来場者を出迎えるオオジャコガイ。
殻だけで194kgですって……。でかい。ぱっと見は軽石みたいにカスカスな感じなんだけど。触った感じは完全に石でした。挟まれたら泣くなこれ。
ドブガイ(研磨済み)の美しさよ。
悪口みたいな名前を付けてすまんかった…!と日本を代表して謝罪したくなるレベル。
そして『砂漠に棲むかたつむり(の殻)』をムダに動画撮影、という凡ミスを犯す。
採取場所なんかも丁寧に記録されています。まさか砂漠の岩の上にカタツムリがいるとは。
『流氷の天使』ことクリオネさんの図解。
手加減抜きの禍々しい描写!ラミネート加工済みなので気軽に手に取って眺められます。
生体も展示されていました。
殻長5mの巨大チョッカクガイの模型。三笠の巨大アンモナイトの模型と同じ匂いを感じる。
おお!これは!!
かつて、教会一軒に相当する価値があるとされたシンセイダカラガイ(神聖宝貝)。いまだに10万円近い価格で取引きされてるらしい。貝殻に10万円出せるってどんだけ……。
他にも、鉄の鱗を持つスケーリーフットの標本とか、中国の縦巻きカタツムリとか珍しいものが盛りだくさん。
ところで、入り口付近に3Dシアターがありまして。観てみたいなー、と聞こえよがしに話していたら、時間前にもかかわらず上映してくれました。ありがとうございます!やったねー!
……でもまあ1991年創設の博物館なので、最近の3Dと比べてはいけない。一応、迫り来る映像に手を伸ばしてみせるのは、観客に課せられたマナーなのかも知れません。
「貝の妖精」を名乗る3人の女の子(実写)が貝の世界をアニメ声で紹介してくれます。心してご覧ください。
書籍コーナーも貝関連のおもしろそうな本がたくさんあった。ビーチコーミングで貝殻を探そう!みたいな冊子があったんだけど、「砂浜で見つかる漂着物」として、何のためらいもなく海獣の死骸を掲載するストイックな目線にシビれる。
貝の標本は、中の肉を取り出すために、一度ドロドロに腐らせてから水洗いする、というのをネットで見かけました。おかげで貝殻にもしばらく強烈な腐臭がつきまとうらしい。大変そう……。アリとか、小型の昆虫がさささっと処理してくれたらいいのにね。
あ、ここの博物館は腐臭とは無縁なのでご安心ください。
さて、おみやげを探してショップを眺めていると、なんとオウムガイの殻が!!
博物館に置いてあるものは、出所とか処理の仕方にも安心感がある。ちょっと大きいけど……買っちゃおう!
わーい。棚に置いた様子。
電球に被せた様子。成長線と滑らかな輪郭が強調されますね。幻想的。
蜃気楼を吐き出すという、巨大な蛤の言い伝えがあります。
『貝の館』に飲み込まれて、ひとしきり幻でも見せられたのかも知れない、と思わせるほど不思議な造形の数々が堪能できる博物館でした。
また近々行きたい。解説も充実してておすすめです。
Bosch IXO バッテリードライバー
メメントモリ・ジャーニー
LAMY safari フリクション化計画
「LAMY safari ボールペン」に、消せるボールペン「PILOT フリクションボールノック」の替芯(リフィル)を突っ込めるように改造を施したので、その方法をまとめました。
鮮緑の城壁(イタドリを伐採する話)
イタドリの新芽をひとつ見つけたら、地中にはその10倍の芽が潜んでいる。
福島に住んでいる友達から、イタドリ対策としてヤギを飼うという話を聞いたことがあります。刈っても刈っても生えてくるので、ヤギに食わせるんだって。レンタルヤギのサービスがあるそうな。一瞬なにそれうらやましい…!ってなったけど、よく考えたらイタドリをウンコに変換する装置なんかぜんぜんうらやましくなかったわ。別にヤギ好きじゃねえし。
5、6羽ぐらいのウサギの群れが協力してイタドリを殲滅する!とかだったらかわいいのに。ウンコの処理も進んでやるのに。
例年、春から初夏にかけてはイタドリを刈るのにやっきになっているのですが、暑くなってくるともうまったく勝てる気がしないくらいの勢いで茂り出すので、「緑のカーテンもいいかもね…」という気持ちになり伐採を完全に諦めるのがお決まりのパターン。実際、真夏のイタドリは「緑のカーテン」などという生ぬるいレベルではなく、もはや「鮮緑の城壁」と呼んでも差し支えないくらい強固な仕上がりなので、さながらイタドリの軍門に下ったかのよう。家ごと囚われてしまうのだ。
灯油タンクがイタドリに食われそうだよ。
ヒグマの本(主に慟哭の谷)
屋外からヒグマが人を食む音と悲鳴が聴こえてくる。