ジャガーノート

本や音楽の話を書いていこうと思います。

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ』を観ました。ひとりで。

周りで観た人がまだ誰もおらず、語りたい欲が沸騰しそうなので、ここに書いていいですか?

まだ観てないからダメ!っていう人は引き返してください。

 

書くよ。

以下ネタバレ含む。

 

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連休前の最後の仕事を終えて、さっさと映画館に行こうと思ったのに意外と長引いてしまい、結局最終上映に行くことに。

映画館にはわりと早めに着いたので、グッズ売り場をちらりと眺める余裕があった。小柄なニワトリぐらいの大きさのゴジラのフィギュアに目を奪われる。

おお、これがシン・ゴジラか!

(ポスター以外の予備知識ゼロで臨みました)

しっぽ長い!尾の先端が丸っこいのもやや違和感。手が小さめなのは、恐竜を見慣れているとむしろ普通に感じる。

 

そして、そいつの足元に、なんか横長の動物が2匹転がっていました。黄色っぽいやつと黒っぽいやつ。目がまんまるでな、ちょっとかわいい感じなんだよな。で、値札に思いっきり「第2形態」とか書いてあってな、「ああ、なるほど。今度のゴジラは変態するのか」と思いがけずネタバレするハメに。……まあ、そのくらい構わんけどさ。

いや、むしろ今振り返れば、この時点で躊躇せず捕獲しておくべきだった。翌日、買いそびれたパンフを求めて、再び売り場を訪れたときには第2形態、第3形態(だったかな?)ともに売り切れていました。ざんねん。

 

さて、田舎の夜の映画館はとても空いています。J列(前から10列目)のど真ん中を労せずして確保し、ポップコーンとコカ・コーラを携えて席に着く。そこより前には誰もおらず、後ろを振り返っても全部で7人ぐらいだっただろうか。

ガラ空きの映画館って最高だわー。

 

 

あらすじを書くつもりもないので、お気に入りのシーンをつらつらと書き残そうと思います。

 

 

・第2形態上陸

上陸しただけで津波級の大惨事を引き起こす巨体に戦慄。魚類さながらの無表情なまんまる目玉が、かわいいだけに余計に怖い。唐突にエラから吐き出される大量の体液も不気味。

ラブカっぽいと評判の第2形態だが、顔付きはウツボの方が似てるかも。

 

 

・攻撃中止

「射撃の可否を問う」のところ。

総理が「国民に自衛隊の弾は向けられん!」みたいなことを言って攻撃は中止に。ネットでは「保身」「先延ばし」など散々叩かれてる対応だけど、人の生死がかかってるんだぜ?

会見で巨大不明生物の上陸可能性を否定したときも、「はっきり言わんと国民は安心せんだろ!」とか言うし。きっと根が優しい人柄なんだよ。大杉漣さん、ハマり役でしたね。動揺の演技が素晴らしい。

 

 

放射能熱線

米軍の地中貫通爆弾に被弾した直後の、ゴジラの反撃。反撃っていうより、邪神が怒りに任せて引き起こす天災のようです。逆鱗に触れた、というところか。うつむき吐き出される煙は初代ゴジラのオマージュだろうか。やがて黒煙は火焔に変わり、東京の街を覆う。あまりに広範囲にわたる炎にしばし呆然。

そう、第2形態上陸の場面も同様だが、呆然としてしまうのだ。どうすんだよこれ……って考えが停まってしまうほど、取り返しのつかない大惨事。ライムスターの宇多丸さんは、東京が燃えるこの場面で泣いたと言っていた。

光線を吐き出す前の、下顎が左右に開くところは大蛇のようだし、眼を覆う瞬膜は、攻撃の瞬間に白目を剥くホオジロザメを連想させる。怪獣の凶暴性が強調される斬新な描写。

この場面で流れる曲もいいです。サントラ買わなきゃ……!

 

 

・ラスト

しっぽの先。たまんねえな。このカット。

 

 

 

 

シン・ゴジラ』、ゴジラはもちろん、登場人物や彼らの振る舞いも、大きな魅力となっている。

個人としては権力も武力も持たない人々が、それぞれの職務を全うすることで巨大なゴジラに立ち向かう、という部分が一番アツい。アポロ13号の危機に挑むNASAみたいな印象です。

まあ、我々は日々仕事をして暮らしているわけで。どうせやるなら、きっちり仕事した方がいいだろうと思っているので、この映画の登場人物の見事な仕事っぷりには感動しました。巨災対にはボンクラとか自己中な感じの人がいないんだよね。単純に憧れちゃう。勉強しようっていう気になる。

例えるなら『ベストキッド』観たあとに空手やりたくなる気持ちと同じ。

 矢口蘭堂とか尾頭ヒロミとか赤坂秀樹とかさー。かっこよすぎじゃないですか!

カヨコは。。ちょっと雲の上過ぎて目指せない。短期間であんな早口の英語の台詞仕込むとかムリだろ。いや、それはカヨコじゃないのか。石原さとみさんなのか。ともかくマジで尊敬した。

 

あと、はたらく自動車が活躍するのも見逃せないポイント。

無人在来線爆弾が炸裂するところ、めちゃくちゃグッと来る。なんだろう、物言わぬヒーローが無私の心で活躍するこの場面に既視感が……。と、感情の端っこをたぐってみたら、スズメバチを蒸し殺すミツバチと繋がっていた。この感じだったか。

 

 

最後に、この映画で無視できないのは、放射能核兵器原発に関するメッセージです。総監督の庵野秀明さんは、それらのモチーフを様々な形で作中に散りばめている。明確な答えは出していないように思う。ゴジラの凍結も、過程に過ぎない気もする。

 

啓蒙や教育も、映画の持つ機能のひとつであるかも知れない。でも学研マンガみたいな映画を作っても、誰も好んで観ないだろう。

 

圧倒的な存在感のゴジラとすてきな登場人物を描いたこの映画に、我々が忘れてはいけないことが綿密に織り込まれている。あとは、映画を観た人にそれぞれ考えて欲しいということなんだろう。

傑作だと思います。

 

 

こういう話を、映画観たあとに深夜のファミレスとかで、パンフ広げてコソコソ話すの超楽しいよな。

 

 

ダチョウの卵と好奇心の部屋

ダチョウの卵を手に入れました。

母が「孫のために」と買いに行ったのですが、下の子も欲しがると思うから、ということで2個届いた。。

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ダチョウの卵1個で鶏卵20個分の量があると言われています。つまりダチョウの卵2個で、鶏卵40個分の量があるわけです。てことはこの写真1枚に鶏卵41個分の量があるんですよ!(しつこい)

重さは1個1.5kgぐらい。この量はヤバい。

有精卵だから日持ちするよ、とダチョウ牧場のおじさんが言ってたけど、ナマモノなのでなる早で食い切りたいところです。週末に意を決して割りました。

めずらしいことなので、ちょっとその割り方などを記録に残そうと思います。

 

 

まずは流水で卵の表面を洗います。雑菌とかこわいので、仕上げに水の劇落ちくんで除菌する。

 

余談ですが、我が家は田舎ぐらしなので、水道が引かれていません。なので、水は地下水を使用しています。地下水生活が長いと、水道の塩素のにおいにとても敏感になります。洗濯物なんかも、水道水で洗ったものは洗剤の香りの奥に塩素のにおいを感じる。消毒されてるなーという涼やかな清潔感があって、好きなにおいです。ないものねだりなんだろうけど、蛇口をひねるだけで塩素入りの水が出てくるのはかなり便利だと思います。

加湿機も、地下水だと雑菌がわくので使えません。地下水にわざわざ塩素を足して使っているんだよ。。めんどくさいよ。

ついでに書くと、塩素のない地下水生活で肌や髪が健康になった!みたいなことはまったくありませんでした。もともと家族全員、肌が弱いのですが、ことさら改善もせず悪化もせず。塩素除去機能のついたシャワーヘッドとかもあるけど、うちは引っ越しても使わないかなー。水道水の残留塩素程度だったら肌には全然影響ない、というのが実感です。

 

さて、話を戻して。

 

まず、穴を開ける位置を決めます。スマホのLEDライトを卵に直付けすると、気室が透けて見えます。気室を上にして、卵を小さいボウルに固定します。

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各種得物を取り揃えまして、どうやって穴を開けようか検討。

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1.千枚通しを金槌で叩いて、卵に小さなキズを付ける。

2.ドリル。

の手順が楽かなー。

活躍したのは愛用のBosch IXO。以下の記事で紹介しています。

Bosch IXO バッテリードライバー - ジャガーノート

 

6mmのドリルを使いました。貫通するのにけっこう時間がかかります。

 

さて、穴が開いたらもう写真を撮っている余裕はありませんでした。以下、文字のみです。

中身を取り出すために大きめのボウルを用意します。大は小を兼ねます。家中でいちばんでかいボウルを使いましょう。脅すわけではありませんが、どんぶり程度の大きさだとあふれるかも知れないぜ?(脅し)

卵の穴を下に向けて、曲がるストローを差し込み、息を思いっきり吹き込みます。空気が入っていく感じはありませんが、卵内部の気圧は高まっているはずです。そして圧を保ったままストローを素早く抜くと、穴から卵白がどろどろーっと流れ出てきます。ストローを抜く前に息を吹き込むのを止めてしまうと、生卵が勢いよくストローを逆流することになりますので、お気をつけください。

卵白が流れ出る様子をそばでみていた子供が「なんか鼻水みたいだねー」と言うので、食欲が失せるからやめろと伝えました。しばらくすると、またなにか思いついたらしく、「あ。そうだ。よだれみたいって言うのはどう?」って言い出した。どう?じゃねえよ。。

 

大まかには卵白→卵黄の順に出てきます。なのでうまく取り分ければ、メレンゲとかも作れるんじゃないかな。

 

中身をきれいに取り出せたら、穴をもう少し拡張して内部を水洗いします。水を切って乾かしたら、卵の標本の完成!やったねー。

 

できたよーって子供に見せたら、卵に絵を描くんだと言っていました。

そうか。絵を描くのか。。もっと博物趣味のあるやつだと思っていたけど。ダチョウの絵を描くんだってさ。まあ子供らしくてかわいいね。

 

 

好奇心の部屋デロール (たくさんのふしぎ傑作集)

好奇心の部屋デロール (たくさんのふしぎ傑作集)

パリにあるデロールというお店を紹介した本。デロールには博物館と見間違えるほどの、剥製や標本が大量に陳列、販売されています。地元の子供達が剥製をなでている写真が載っていて、動物園や博物館とは違う、こんなふうな動物との親しみ方もあるんだなーと感じました。店の雰囲気もとてもすてきです。

なぜ唐突にデロールの話を持ち出したかというと、この本、ノンブルのデザインがダチョウの卵なんです。

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「好奇心の部屋」っていいですね。うちにも作ろう。

 

うみねこ博物堂もいつか行ってみたい。

うみねこ博物堂

 

 

第2理科室を思い出すな。

 

 

キスしてもかまわない 私だけの恋人を

甦る60’s涙のバケーション

甦る60’s涙のバケーション

 

60年代を意識したであろう1993年のCDジャケットが、今振り返ると純然たる90年代テイストでしかないのはなぜなのか。なんとなく、背景のグラデが悪さをしているような気はする。

 

聴きたい曲があったのですが曲名を思い出せず、辛うじて覚えている歌詞を元に検索してみました。

 

 

「キスしてもかまわない 私だけの恋人を」

 

 

で検索してみると、不倫・浮気の話がたくさん出てくる。なんだこれ。。

逆に、真剣に浮気に悩んでいる人や、純粋にゲスな気持ちで不倫エピソードを漁っている人が、まかり間違ってこの記事にたどり着いてしまったとしたら……ごめんよ。

 

やっと見つけたオールディーズを特集していそうなサイトも、ひと昔前のガラケー向けサイトらしく、見事に文字化けしている。

という具合に曲探しが難航していましたが、Amazonさんのディスコグラフィー見たらいいんじゃね?っていう名案が生まれたので、冒頭のCDを検索してようやくタイトルが判明しました。

 

 

『夢のデイト』です!

伊東ゆかり - 夢のデイト - YouTube

 

 

伊東ゆかりさんが歌っているものがYouTubeにありました!うれしいー。

(ところで、ウランちゃんみたいに左右の髪を跳ね上げた、伊東さんのこのヘアスタイルはなんていう名前なんだろう?)

 

歌の内容はと言うと、「友達の彼氏を抱きしめる夢を見た。ツライ。彼氏ほしい」みたいな感じ。ディテールにこだわらない、あっさりさっぱりとした描写が好きです。軽い曲調と相まって気軽に楽しめます。

と思いきや、なんかバツグンの存在感を放つバックコーラスが。

 よく聴けば、この暑みのある声は……。

シゲル・マツザキじゃねえか!!

 

キレのいい振りとタイトなコーラスワークに要注目です。楽しそう。あの振りはマネしたい。

 

 

Mi-Keバージョンも聴きたいなー、と思いつつ惰性でウィキペディアを見てみたら、Mi-KeがもともとB.B.クィーンズの音楽コーラス隊だった、という事実に衝撃を受ける。全然知らなかったわ……。

 

 

世の中は知らないことだらけですね。

(↑まとめ方が雑過ぎ)

 

 

https://twitter.com/classic108fuzz

 

 

 

貝の館(貝類専門博物館)

蘭越町にある貝類専門博物館『貝の館』に行きました。

https://www.town.rankoshi.hokkaido.jp/kainoyakata/

 

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この博物館は二枚貝をモチーフにしているらしい。まるで『すてきにへんな家』に登場しそうなデザインです。

 

すてきにへんな家 (たくさんのふしぎ傑作集)

すてきにへんな家 (たくさんのふしぎ傑作集)


実在する家も想像上の家もごちゃ混ぜにして、ただただ「へんな家」を紹介する本。

作者のタイガー立石さんはエッシャーに多大な影響を受けており、いたるところにエッシャーが好んだペンローズの三角形を描き込んでいる。

おもしろくて不思議な絵を描く、『たくさんのふしぎ』を代表する作家のひとりでしょう。

 

 

 

いきなりですが、これエッシャーっぽくないですか?

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巻貝が圧倒的な数で攻めて来る『貝の模様の多型』。

貝の模様を決定するメカニズムはいまだに解明されていないのだとか。それを示すためにこのありさま。

そういえば、9月に『エッシャーの世界』が芸術の森に来るらしい。もう今から楽しみです。

 

 

 入り口で来場者を出迎えるオオジャコガイ。

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殻だけで194kgですって……。でかい。ぱっと見は軽石みたいにカスカスな感じなんだけど。触った感じは完全に石でした。挟まれたら泣くなこれ。

 

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ドブガイ(研磨済み)の美しさよ。 

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悪口みたいな名前を付けてすまんかった…!と日本を代表して謝罪したくなるレベル。

 

 

そして『砂漠に棲むかたつむり(の殻)』をムダに動画撮影、という凡ミスを犯す。てへへ。

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 採取場所なんかも丁寧に記録されています。まさか砂漠の岩の上にカタツムリがいるとは。

焼けてエスカルゴになったり……しないよね?

 

 

『流氷の天使』ことクリオネさんの図解。

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 手加減抜きの禍々しい描写!ラミネート加工済みなので気軽に手に取って眺められます。

生体も展示されていました。

 

 

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殻長5mの巨大チョッカクガイの模型。三笠の巨大アンモナイトの模型と同じ匂いを感じる。

 

 

おお!これは!!

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かつて、教会一軒に相当する価値があるとされたシンセイダカラガイ(神聖宝貝)。いまだに10万円近い価格で取引きされてるらしい。貝殻に10万円出せるってどんだけ……。

 

 

他にも、鉄の鱗を持つスケーリーフットの標本とか、中国の縦巻きカタツムリとか珍しいものが盛りだくさん。

 

 

ところで、入り口付近に3Dシアターがありまして。観てみたいなー、と聞こえよがしに話していたら、時間前にもかかわらず上映してくれました。ありがとうございます!やったねー!

 ……でもまあ1991年創設の博物館なので、最近の3Dと比べてはいけない。一応、迫り来る映像に手を伸ばしてみせるのは、観客に課せられたマナーなのかも知れません。

「貝の妖精」を名乗る3人の女の子(実写)が貝の世界をアニメ声で紹介してくれます。心してご覧ください。

 

 

書籍コーナーも貝関連のおもしろそうな本がたくさんあった。ビーチコーミングで貝殻を探そう!みたいな冊子があったんだけど、「砂浜で見つかる漂着物」として、何のためらいもなく海獣の死骸を掲載するストイックな目線にシビれる。

 

貝の標本は、中の肉を取り出すために、一度ドロドロに腐らせてから水洗いする、というのをネットで見かけました。おかげで貝殻にもしばらく強烈な腐臭がつきまとうらしい。大変そう……。アリとか、小型の昆虫がさささっと処理してくれたらいいのにね。

あ、ここの博物館は腐臭とは無縁なのでご安心ください。

 

 

さて、おみやげを探してショップを眺めていると、なんとオウムガイの殻が!!

博物館に置いてあるものは、出所とか処理の仕方にも安心感がある。ちょっと大きいけど……買っちゃおう!

 

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わーい。棚に置いた様子。

 

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 電球に被せた様子。成長線と滑らかな輪郭が強調されますね。幻想的。

 

 

 蜃気楼を吐き出すという、巨大な蛤の言い伝えがあります。

『貝の館』に飲み込まれて、ひとしきり幻でも見せられたのかも知れない、と思わせるほど不思議な造形の数々が堪能できる博物館でした。

 

また近々行きたい。解説も充実してておすすめです。

 

 

 

Bosch IXO バッテリードライバー

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Boschボッシュ)の電動ドライバー『IXO』。
 
 
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 「ドライバー」と紹介しながら、いきなりドリル刃を装備していますが、ラミーを改造したときの写真です。
 
 
この広告の雰囲気がとても好きです。アパートのチャイムひとつ取っても、たまらなくないですか?このデザイン。こんなの付いてたら、帰宅するたびにムダに鳴らしちゃいそう
ベランダに人工芝敷いてみたり、トマト缶すすったりってのもいい。
 
もろにビートルズ風味な楽曲も、シンプルなアレンジながら印象的です。
 
ピアノが紡ぐこじんまりとしたメロディから始まって、ウクレレ、タンバリン、ハンドクラップの軽快なリズムが曲を進めていく。特にウクレレの、小さな球をいくつもころころと転がすような音色は、この曲を明るく彩ります。
 
間奏明けから入って来るギターとベースは、控えめながらもマージービートには欠かせません。そして最後のサビで一気に煽ってくるオルガン。グッと来る。
 
繰り返し聴いていると、環境音(モーターの音とかグラスの音とか)も曲にしっかりとフィットしているのがわかります。
 
日本版はなぜか尺が短い上に、ミックスとアレンジもやや異なります。重心の下がった低域よりの仕上がり。そのぶんギターが目立つ。ラスサビのメロディも違う。なぜこんなバリエーション違いがあるんだろう。謎だ。
 
 
オリジナル版の方が好きだな。
 
 
さえない男とちょっと世話焼きな女の恋、というところが『エターナル・サンシャイン』とか『恋愛睡眠のすすめ』っぽい感じ(どっちもミシェル・ゴンドリー監督ですね)。
 
周りの人に見せたら、「めっちゃ少女漫画っぽい!」って感想もあれば、「これ書いたの絶対男だろ」っていう感想もあっておもしろい。
 
男からすると「なかなか踏み出せないけど仲良くなりたい、けど踏み出せない…」みたいにくすぶっているところを、ひょいと跳び越えて来てくれるのがいいんでしょうね、きっと。
 
女から見れば、男の好意は充分感じられると思うので、あとはもうそこに乗っかるだけなんじゃないでしょうか。
いや、でも、そこがけっこう頑張り所なのか……。
 
男女問わず、わりと奥手な人達が憧れるシチュエーションなのかも。
 
いつか営業部の人が、「誰でもみんな人見知りですよ。要はそこを頑張れるかどうかです!」と言っていて、「そこで頑張れる人を、人見知りとは呼ばないのでは……」と思ったことがある。
 
 
 
広告に登場するのは1世代前の『IXO4-plus』(もしかしたら『IXO4』かも)。
現行機種の『IXO5』はグリップの下に赤いタグが付いているので、見た目で簡単に判別できます。
性能的にはもちろん現行の方が優れているんだろうけど、できれば劇中で使用されているのと同じものを手に入れたい。
 
ということで、最寄りの大型ホームセンターに駆け込むと、ちょうど『4-plus』が在庫処分的に安売りされていました。やったぜ!
(↑1年ぐらい前の話です。今は現行の『5』が並んでいます)
 
家に帰って、少し充電して、空転させてみる。
モーターが鳴る。
 
この音……!
憧れのミュージシャンが使っているのと同じ楽器を弾いたときのような感動がある!全くおんなじ音が出るよっっ‼︎(←落ち着け)
 
 
ドイツの製品には魅力的なものが多い。
ボッシュステッドラー、ラミーなどなど。虚飾がなくていかにも工業製品らしい、こざっぱりとした佇まいがいいんだろうな。
 
 
IXOは1台あると相当便利です。インパクトドライバーほどのパワーはないものの、軽い工作程度ならドリルとしても使えるし(別売りの刃が必要ですが)。組み立て家具を作ったりバラしたりなんてお手のもの。このサイズとしては驚くほど力強い。ネジを締め切ったときの反動なんて、小型の獣を抱いたときのような感触すらある。
 
加えてあのアタッチメントの数々。ほんとに使うのかよ!って突っ込みたくなるようなアイテムもありますが(ペッパーミル、お前のことだ)、楽しそうですよね。
 
自然放電がかなり少ないので、使いたいときに電池切れ、ってこともないし。
小振りだから楽器のメンテナンス用としても使いやすいし。
 
 
おすすめポイントしかないです。
愛用してます。
 
 
 

夏の終わりの祭り

近所のお寺のお祭りに行きました。車を降りると、まだ開始前にも関わらず、境内いっぱいにエンヤが鳴り響いています。

なぜ寺でエンヤなのか……。滴るような過剰な残響に包まれたエンヤの歌声は、からりと晴れた空にまったく似合わないような。。
 
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このお寺は、保育園と老人ホームと墓地を併設していてけっこう広いのですが、音は揺りかごから墓場まで、歪みなく行き渡っていました。選曲はアレだけど、スピーカーのセレクトは見事です(えらそう)。
いったいどこのスピーカーなんだろう。
気になる。
 
 
本堂の前に設えられた簡易ステージを眺めても、この音量にふさわしい巨大なスピーカーシステムは見当たりません。
 
どうやらかなり高性能の小型スピーカーを採用しているようです。
なるほど。この時点で目星は付いたも同然。
 
答え合わせをすべく、連れにオーディオの薀蓄を垂れながら(うざい)、足早にステージへ向かいます。ステージの両脇に、マイクスタンドに紛れて、黒く細長い円柱状の小型スピーカーが立っていました。
スピーカーの口径が小さい。5cm×6発。噂には聞いていましたが、まさかこのサイズでここまで鳴らせるとは……!
 
オーディオファンのみならず、誰もがその名を知るスピーカーブランド、BOSE(ボーズ)の『L1 Compact system』です。
 
 
予想が的中した嬉しさで、いささか興奮気味に「やっぱボーズはすげえな!」と話していると、ふと、背後に住職(兼園長先生)の気配が。
 
BOSEを坊主と誤認されては具合が悪いと思い「ボーズのスピーカー、高いんだろうね」と、坊主ではなくBOSEの話ですよアピールを試みるも、BOSEを坊主と取り違えてもまったく問題なく意味が通るばかりか、より失礼な雰囲気になってしまいそうで超気まずい。
 
ということが去年ありました。
 
 
そんなお祭りを盛り上げる共食いキャラ達。
 
「ネギもおいしいよ。もぐもぐ」
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「おまちどー!え?服?着てないけど?」
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このニワトリ、どっかで見たような。。
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「ぼくのお肉ー‼︎」(。・ o ・。)/
って確信犯だろこれ……。
共食い看板にありがちな「うっかりやってしまった感」はない。
 
実は意図的に食と命について考えさせようとしていたのかも。お寺のお祭りだからな。
 
というのは考え過ぎだろうか。
 
 
 

メメントモリ・ジャーニー

亜紀書房ウェブマガジン『あき地』で連載していたメレ山メレ子さんの『メメントモリ・ジャーニー』が、遂に最終回を迎えた。
メメントモリ・ジャーニー - 新しい故郷 | ウェブマガジン「あき地」

こんなに楽しみな連載は、中学生の頃読んでた週刊少年ジャンプ以来だったので、書籍化が待ち遠しくてたまらない。書き下ろしもあるんだって。

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ウェブマガジンのいつでも読める便利さも捨てがたいが、やはり手元に置きたい。装丁とか、ブックデザイン的な部分でも楽しみです。『メメントモリ・ジャーニー』は、前作『ときめき昆虫学』の編集者が携わっているそうなので、期待せざるを得ない。

『ときめき昆虫学』の装丁もかなり好きだった。
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タイトルロゴのデザインがいいし、中央に据えられたカイコもかわいいし、表紙に散りばめられた文も妙に興味を引くものばかり(「単位おかしくないですか?」の本文中での衝撃といったらない)。巻末付録までついて、一切の出し惜しみなし。
『ときめき昆虫学』の感想なんかはこのブログの最初の記事に載せておりますので、よろしければご一読ください。

紙とか写真の質感とか、紙の本でなければ出せない魅力はたくさんある。
ふたつ歳上の兄は、買ってきた本を開く前に必ず一度、ペラリと表紙のカバーをめくっていた。なにしてんの?と訊くと、「カバーの下にオマケのイラストやメッセージなんかが書いてあったりするんだ」と教えてくれた。
『ときめき昆虫学』のカバーの内側にも、すてきなイラストが潜んでいる。

と書いてて思い出したけど、新刊に付いてる帯紙、あの帯に載ってる推薦文などのいわゆる「帯文」を収集している『帯文データベース』というサイトがあるのを最近知った。こういう活動は貴重だ。

帯も電子書籍では、ない……のかな??知らないや。技術的に載せられないワケはないだろう。ただ、ページをめくるテンポを考えると、

表紙(カバー付き帯付き)
↓めくる
表紙(カバー付き帯なし)
↓めくる
表紙(カバーなし)

なんて脱衣麻雀みたいにちまちまやってられっか!という人もいるだろうな。だから帯を省略してる電子書籍も多いんだろうな。たぶん。知らないけど。


脱線しました。


メメントモリ・ジャーニー』です。本題は。

「旅と死について考える連載」と銘打たれた旅行記なのだが、ひとことで「旅行記」とくくるのがためらわれるぐらい、内容が濃い。スプーンが立つぐらい濃い。随筆的な部分も多いし、書店ではどの棚に並ぶんだろう。
メレ山さんのブログ『メレンゲが腐るほど恋したい』で見られたハイテンションな文体は鳴りを潜め、落ち着いた語り口でより内面的な部分に触れられている。旅行の内容自体は『メレンゲ〜』や『ときめき〜』で既に語られていることも多いのだが、目線が違うというか、編集方針が違うというか。ひとつの旅行を記録した同じフィルムの中からどのコマを繋ぎ合わせるか、が違うだけで、こんなにも印象が変わるのかと思う。
とはいえ、ブログでおなじみの軽妙な言い回しや、会話のおもしろさをコンパクトに抜き出すセンスは引き継がれているし、「旅と死」をテーマに据えているわりに全体が暗くなり過ぎないのは、メレ山さんが注意深くコントロールしているからでもあるのだろう。


そんなことを考えていたら、学生時代に受けた『水曜どうでしょう』の藤村ディレクター(通称「藤村D」)の講義を思い出した。
藤村Dの話で特に印象に残っているのは、「『どうでしょう』の大泉洋のキャラクターは編集で意図的に演出している」というものだった。例えば、大泉洋さんの発する下ネタは全部カットしている。撮影現場で下ネタNGの縛りがあるわけではないのだが、「深夜番組だからといって下ネタに頼る番組作りにはしたくない」、というこだわりの編集方針だったらしい。だから大泉さんは番組には使われないものの、けっこう下ネタを連発していたらしい。
『ヨルタモリ』では終始下ネタだったもんな、大泉さんの回……。おもしろかったけど。

メレ山さんは、そんな演出がとてもうまい人だと思う。『メレンゲ〜』とツイッターと『メメントモリ・ジャーニー』では、文の調子が全然違うが、気分で変えているわけではなく、それぞれ見せる貌が違うだけなのだろう。


それだけに、明るくハイテンションな印象の『メレンゲ〜』には珍しく、「死」という言葉が出てくる記事『月桃とすばらしい日々』を読んだとき、妙に動揺した。

「これはたしかにすばらしい日々だ、(中略)こういうものを集めることで死ぬのを一日先に遅らせることはできる。」


地面に落ちた黒い影を見て、日の光の強さを実感するように、死を意識することは、同時に生きることも強く意識させる。月桃とすばらしい日々』は『メメントモリ・ジャーニー』のエピソードゼロだ。短いけど何度も読み返したくなる。

数年前に収入保障型の保険に加入してみたら、生きる意味がひとつ失せてしまった気がした。この博打は、自分が死ぬ方に賭けたのだ。勝っても負けても得を残したい、典型的な博打下手の賭け方だ。なんということだろう。


死が生を意識させるように、旅は故郷や家を想わせる。

メメントモリ・ジャーニー』には、マンションを購入する計画が登場する。
巣作りをするように、少しずつ手を入れたり、家具を探したり。マンションを好きに改装して住むのはとても楽しそうだ。
浮かされたように、とりあえず勢いで芝生みたいな緑色の絨毯を買った。部屋に敷いてみると俄然盛り上がってくる。そして今は、絨毯に似合う無垢のローテーブルを作り始めている。住処を整えることは、即ち生きて暮らすことなのかも知れない。そのへんのカフェみたいな家にしたいとは思わない。


連載の最後、ひとりで暮らす家を思い描きながら、そこで育もうとしているのは、他者との関わりだ。住処を整えるのと同じく、周りとの関わりを育むこともまた、生きて暮らすことなのだ。


って感想を書いていて、改めて、この連載すげえ……!ってなってる。「旅と死」という一風変わったテーマが、こうもしっかりまとまるとは。
今後「メメント・モリ(死を想え)」という警句は、『メメントモリ・ジャーニー』の結びの明るさと共に思い出すんだろう。
無垢材のテーブルに置かれた花瓶を照らす、5月の朝日のようです。